天然記念物 宇気比神社樹叢

宇気比神社のある宮山の森は昭和13年に三重県から天然記念物に指定されている。
暖地性常緑濶葉樹であるツゲモチ、オガタマノキ、ホルトノキ、タブノキ、クスノキ、モクコク、クロガネモチ、モチノキなどの自生地である。
昭和34年に襲った伊勢湾台風により多くの大木が倒れたが、それでもなお、鬱蒼とした状態を保っている。
この樹叢には学問上貴重な珍種が存在しているが、それは当神社の氏子等が、祖先以来神社を篤く崇敬し、その神域をも神聖視して、樹木を伐採することなく守って来た結果である。



ツゲモチ  

地上1m50cm付近の幹周約2m
一名をオキナワモチ、オキナワソヨゴ又はリュウキュウソヨゴと言い、琉球を中心として、南は台湾からから、北は九州南部、四国南部、紀州南部を経て三重県南部まで分布するモチノキ科の植物で、三重県内における自生地は伊勢神宮の内宮宮域、外宮宮域、伊雑宮宮域(磯部町)、佐美長神社(同)の神宮司庁所管地四ヶ所と、この宇気比神社境内だけであるという。因みに外宮宮域は本種自生の北限地とされている。(昭和13年当時の幹周1m27cm)






オガタマノキ

  地上1m50cmでの幹周約2m80cm
三重県南部では自生、植生を通じてしばしばこれがみられるが、大木は稀という。昭和13年の調査では、南牟婁郡新鹿村徳司神社、同南輪内村飛鳥神社と並び県下の同種の三大木であった。(昭和13年当時の幹周2m50cm)
 





 

宇気比神社樹叢  (昭和63年浜島町文化財調査委員会調)

高層部 
アカメガシ、アカメガシワ、アカマツ、イシタイ、イヌマキ、イヌユズリハ、オガタマノキ、エノキ、カキ、クス、クロマツ、クロガネモチ、タブ、ツブラジイ、ツゲモチ、ナガジイ、ホルトノキ、ホソバタブ、モッコク、モチノキ

中層部
サカキ、サルトリイバラ、シロダモ、シャリンバイ、ツルグミ、トベラ、ネズミモチ、ハマヒサカキ、ヒサカキ、マサキ、マルバグミ、メダケ、ヤツデ、ヤブツバキ
林床部
ネザサ、ヤブコウジ 


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